幕末仮想現実(ﾊﾞｸﾏﾂﾊﾞｰﾁｬﾙﾘｱﾘﾃｨｰ)

高杉さんも、稔麿さんも、相当ショックみたい。
この何事にも強気の高杉さんが、視線下に落とすなんて。

居候させてもらってる代わりに、その中川なんとかって人、ぶん殴ってきてあげたいのはやまやまなんだけど、あたしって、とっても存在感薄いみたいだし。

ほら、こんなに高杉さんの顔、近くで見つめてても、ちっとも気付いてくれないし。
元気出してほしいから、肩なんか叩いてみても、全く感じてないみたいだし。

それに、あたし、自分の意思で動けるのは歩いて行ける所だけで、関門海峡だ、なんだって動けてるのは、なんか知らないワープの力だし。
勝手に京都へ行くのは無理よね。

でも、稔麿さんのこんな悔しそうな顔、これ以上、見たくないな。
あたし、なんか力になれないのかな…。