幕末仮想現実(バクマツバーチャルリアリティー)
「ねぇ、昨日のテレビ見た?」
最後にコーヒー牛乳をぐーっと飲み干した紀ちゃんが、あたしと数衛を交互に見てそう言った。
「何のテレビ?」
紀ちゃんてば、いつも大事なとこが抜けてるのよね。
「ほら、ニッキが、出てたやつ」
「ああ!見た見た」
何それ?
「見てなぁい」
「なんか気持ち悪かったよね」
「うん、うん。怖かったね」
何なのよぉ、二人で会話しちゃって。
「何?ドラマ」
「そ。オダメイ、『バーチャルリアリティー』って知ってる?」
「『バーチャルリアリティー』?何それ?」
あたしを見て何故か自慢げに紀ちゃんが言った。
「『仮想現実』」
「…『仮想現実』?」
なんだかますますわかんない。
「うん、あたしもよくわかんなかったんだけど」
って前置きしてから数衛が説明をし始めた。
「仮想現実。…つまり、作り物の現実なわけよ」
「…」
「…」
「…それで?」
「…それだけよ」
「わかんないよぉ、それだけじゃあ」
「なんて言うのかなぁ」
あてにならない数衛に代わって今度は紀ちゃんが天井を見上げながら言葉を探した。
「あ、そう!テレビゲームみたいなもんよ」
「テレビゲーム?」
「うん。ただそれを画面を見ながらやるんじゃなくて、画面の中に入ってやるって考えるわけ」
「画面の中に入る?」
「うん。だから、どこを見ても、その画面の中の世界なわけ。それは本当は実在しない世界なんだけど、見えるとこ全部がそうなんだから、偽物だって気がつかないでしょ?本当は…」
「ほんとは、作り物の現実なんだけどね」
横から数衛が口を出して締めたけど、まだ、何かよくわかんないなぁ。
「じゃあさぁ、本当の現実じゃない、もう一つの現実があるってこと?」
「ん〜、そうかな。ま、最先端の科学を駆使した画期的なコンピュータの成せる技だと思えばいいんじゃない?」
ん〜、ますますわかんない。
最後にコーヒー牛乳をぐーっと飲み干した紀ちゃんが、あたしと数衛を交互に見てそう言った。
「何のテレビ?」
紀ちゃんてば、いつも大事なとこが抜けてるのよね。
「ほら、ニッキが、出てたやつ」
「ああ!見た見た」
何それ?
「見てなぁい」
「なんか気持ち悪かったよね」
「うん、うん。怖かったね」
何なのよぉ、二人で会話しちゃって。
「何?ドラマ」
「そ。オダメイ、『バーチャルリアリティー』って知ってる?」
「『バーチャルリアリティー』?何それ?」
あたしを見て何故か自慢げに紀ちゃんが言った。
「『仮想現実』」
「…『仮想現実』?」
なんだかますますわかんない。
「うん、あたしもよくわかんなかったんだけど」
って前置きしてから数衛が説明をし始めた。
「仮想現実。…つまり、作り物の現実なわけよ」
「…」
「…」
「…それで?」
「…それだけよ」
「わかんないよぉ、それだけじゃあ」
「なんて言うのかなぁ」
あてにならない数衛に代わって今度は紀ちゃんが天井を見上げながら言葉を探した。
「あ、そう!テレビゲームみたいなもんよ」
「テレビゲーム?」
「うん。ただそれを画面を見ながらやるんじゃなくて、画面の中に入ってやるって考えるわけ」
「画面の中に入る?」
「うん。だから、どこを見ても、その画面の中の世界なわけ。それは本当は実在しない世界なんだけど、見えるとこ全部がそうなんだから、偽物だって気がつかないでしょ?本当は…」
「ほんとは、作り物の現実なんだけどね」
横から数衛が口を出して締めたけど、まだ、何かよくわかんないなぁ。
「じゃあさぁ、本当の現実じゃない、もう一つの現実があるってこと?」
「ん〜、そうかな。ま、最先端の科学を駆使した画期的なコンピュータの成せる技だと思えばいいんじゃない?」
ん〜、ますますわかんない。