幕末仮想現実(バクマツバーチャルリアリティー)
「じゃあ、今日、どこまで進んだ?」
「えーっとね」
数衛があたしの教科書をバラバラめくる。
「ここ、ここ。高杉晋作が下関で、俗論派倒す為に挙兵して、三田尻の軍艦三隻取ったとこまで」
「…」
同じだ…。
「じゃっ!稔麿さん、吉田稔麿さんは、出てきた?」
「吉田稔麿?…ああ、雑談の中で出てきた。池田屋で沖田総司に切られちゃった人じゃない?」
「そうっ!」
「あの人、幕府の情勢知るために、脱藩して江戸にいて、たまたま京都に用事で来てたときに、池田屋で会合があるっての知って行ったら、あんなことになっちゃったんだって。ついてない人もいるもんよね」
「ええ?脱藩して、江戸にいたの?」
「うん、確か、そう言ってたよ、尾崎さん」
「…ふぅん」
「それより、オダメイ。早く日本史片付けて、科学出さなきゃ、もうすぐ次の授業始まっちゃうよ」
「次はこわぁい稲垣先生だから、寝ないようにね」
「あ、うん」
紀ちゃんと数衛は自分の席に戻った。
やっぱり、単なる夢だったのかなぁ。
教科書を少しめくってみる。
「薩長同盟?」
『薩摩藩と長州藩が倒幕の為に同盟を結んだ』
…。
高杉さんが、『屈辱的な方法でも、どんな手段をつかっても』幕府を倒すって言ってたのはこの事?
ん?
『高杉晋作は肺病のため、二十七歳でこの世を去った』
っ!
高杉さんって、病気で死んじゃったんだ…。
って事は…、あ、第二次長州征伐で長州藩守りきった後だ。
倒幕の前ってことは、新しい時代を見ずに死んじゃったんだ…。
『高杉晋作、辞世の句』?
「えーっとね」
数衛があたしの教科書をバラバラめくる。
「ここ、ここ。高杉晋作が下関で、俗論派倒す為に挙兵して、三田尻の軍艦三隻取ったとこまで」
「…」
同じだ…。
「じゃっ!稔麿さん、吉田稔麿さんは、出てきた?」
「吉田稔麿?…ああ、雑談の中で出てきた。池田屋で沖田総司に切られちゃった人じゃない?」
「そうっ!」
「あの人、幕府の情勢知るために、脱藩して江戸にいて、たまたま京都に用事で来てたときに、池田屋で会合があるっての知って行ったら、あんなことになっちゃったんだって。ついてない人もいるもんよね」
「ええ?脱藩して、江戸にいたの?」
「うん、確か、そう言ってたよ、尾崎さん」
「…ふぅん」
「それより、オダメイ。早く日本史片付けて、科学出さなきゃ、もうすぐ次の授業始まっちゃうよ」
「次はこわぁい稲垣先生だから、寝ないようにね」
「あ、うん」
紀ちゃんと数衛は自分の席に戻った。
やっぱり、単なる夢だったのかなぁ。
教科書を少しめくってみる。
「薩長同盟?」
『薩摩藩と長州藩が倒幕の為に同盟を結んだ』
…。
高杉さんが、『屈辱的な方法でも、どんな手段をつかっても』幕府を倒すって言ってたのはこの事?
ん?
『高杉晋作は肺病のため、二十七歳でこの世を去った』
っ!
高杉さんって、病気で死んじゃったんだ…。
って事は…、あ、第二次長州征伐で長州藩守りきった後だ。
倒幕の前ってことは、新しい時代を見ずに死んじゃったんだ…。
『高杉晋作、辞世の句』?