僕の愛した生徒
そんな毎日は続き
仕事の忙しさもピークを迎えた。
いつもなら、うんざりするのだが
今はハードな毎日をありがたいと思える。
その間は奈菜のことも忘れることができた。
でも、一人になる夜は
昼間に感じる奈菜への怒りはなくなり
ただ、ただ虚無感が僕を襲う。
ぽっかり空いてしまった心。
それを埋める術を僕は知らない。
目を閉じると瞼に浮かぶ奈菜の笑顔。
それを無理やり消そうとする僕。
そして、僕は気づく。
僕たちは
もう、先生と生徒に戻ることすら
できない……