僕の愛した生徒


6月に入る少し前の放課後。


僕は教室の窓際の一番前の席で
椅子を後ろ向きにして座っている。


教室にはプリントに鉛筆を走らせる音だけ。


僕が座っている席の2つ空けたところに藤岡は座っていた。




藤岡は寒暖の差が激しい季節ということもあり、中間テストの期間中に体調を崩し1日だけ欠席した。


今はその日に受ける予定だった
物理と英語のテストを受け、僕がその試験監督をしている。
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