僕の愛した生徒
それから
しばらく僕たちはテレビを見ながら会話をしていた。
その盛り上がりも一段落して、
テレビから流れる音だけが響く部屋。
それが温かい。
奈菜の手が僕の手に触れ、
肩に寄りかかってきた。
「ねぇ、秀?
このまま時間が止まればいいね」
僕は奈菜の髪を掬う。
「わたし今、凄く幸せだよ。
今まで生きてきた中で一番幸せ。
……秀も幸せ?」
「幸せだよ」
僕は奈菜の額にキスをする。
「良かった……」
奈菜は柔らかく、穏やかに微笑んだ。
そしてその後は
会話を交わすことなく、僕たちはしばらくそのままでいた。