僕の愛した生徒


今日から新学期。


学校には賑やかさが戻る。

登校して来る生徒達の中には奈菜も混じっていて、

廊下ですれ違う僕たち。


「おはよう」

「先生、おはようございます」


立ち止まって、はにかみながら挨拶する奈菜はキラキラと輝いている。


週末の余韻が残る僕には

見慣れている筈の奈菜の制服姿が
やけに照れくさくて、

服を身に着けている方が何だか恥ずかしい。



奈菜と微笑み合う一瞬。

それに幸せを感じる。



ずっと、こんな気持ちが続いていくんだろうな……



僕は挨拶を交わした後、
教室に向かう愛おしい背中を眺めた後で職員室に入った。
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