これからも君だけ



その後、なんやかんや親同士が楽しそうに雑談をしていたから



あぁ、新しい仕事の契約か何かでもしたから交流食事会なのかとすっかり思いこんでいた。




「じゃあ、後は若い二人にお任せしましょうか」



何だかうさんくさいドラマで聞いたことのあるセリフをお母様が呟く。



「そうですわね、うちの最上階のスウィートルームを二人の新居にしたかいがありますわ」




二人に任せる…?


スウィートルームを二人の新居に…?




「じゃあ陸、湊君と仲良くするのよ?」




「え?ちょっと待って、なにが…!?」




「迷惑かけないようにな」




いやいや、お父様まで何わけわかんない事言っちゃってるの!?




「婚約、おめでとう」




お父様はそのいつも崩した事のない鉄仮面を少しばかり寂しそうに歪ませると、母を連れて一条湊の両親と共に部屋を出て行ってしまった。




こ…こんやく…こんやく…



こんにゃくじゃなくて……?







「……婚約ーーーー!!!????」




< 17 / 96 >

この作品をシェア

pagetop