これからも君だけ
だって学園の王子様だよね?
皆をトリコにしているあの甘いマスクは!?
今目の前にいるのは、どっからどう見てあの爽やかさなんか1ミリも見られない彼の姿。
「まさかの二重人格なの?王子って嘘なの!?」
「お前うるさい」
「うる!うるさいって…ってキャア!」
前に座っていたはずの体制を私の方へと乗り出し腕をグイっと引っ張る。
「な、なによ…」
ていうか顔近いし!
近すぎだし!!
「少し黙らないと、その口ふさぐぞ」
意地悪そうに口角を上げ、色素の薄い綺麗な瞳を細める。
あぁ、なんて色っぽい人なんだろうと
思わずため息がもれたほど目の前の彼は綺麗で
だから…
いつの間にかさらに近付いていた距離にも気がつかず
「…っん」
唇になにか温かいものが触れる感触で
思わず目を見開いた