これからも君だけ
生徒会執行部
15分ほど走って見えてきた大きな門。
その前にはたくさんのリムジンや高級車などが並ぶ。
いわゆる登校ラッシュってやつ。
きっとこんな光景を見られる学園は国内にほとんどないと思う。
「ちょっと待って!私ここで降りる」
「は?何でだよ」
いきなりそんなことを言い出した私に、やっぱり王子様スマイルではなく見るからに訝しげな顔をしてくる湊君。
「だって湊君と一緒に学校になんて行ったら目立つし…」
というか、女の子達に殺されるかもしれない。一条湊ファンクラブがあるって噂を聞いた事がある…
高校生でそんなものあるのかと、初めは驚いたけれど…湊君ならあり得そうだ…
「あと、婚約の事は皆んなには黙ってて欲しいの」
「お前さっきから喧嘩売ってるのか?」
「そんな!めっそうもございません!だって湊君だって困るでしょ?ほら…彼女とかさ…好きな人とかにさ…湊君も知られたくないでしょ?」
そう言ってチラリと隣の彼を見ると、そのすごく冷めた瞳で睨みつけられ
「何だよ、お前はいんのかよ」
ものすごくドスの低い声を出してきた…。