これからも君だけ



「そっかぁ」と言って何か考えるようにアゴに手を置くと、






「じゃあ一緒に練習しよっか。俺そんな上手くないけど少しなら教えられるよ」





目尻を下げ、優しく微笑む朝陽先輩





「良いんですか?」





朝陽先輩とダンスできるなんて練習でも嬉しい!!





「もちろん、陸ちゃんのためなら大歓迎だよ」





朝陽先輩とのダンスの練習はまるで夢のようだった。





二人きりっていうだけで緊張して仕方ないのに、さらに密着しているなんて…緊張しない方が無理で。





だけど朝陽先輩のゆっくりとした優しい教え方のお陰で少し出来るようになった気がする。




だから家に帰ってからもその浮かれ気分なままで





「ふんふふふ〜んっ!!」




鼻歌なんか歌いながら、今にも飛んでいっちゃいそうなほと身軽な体にリズムを刻む。





けれども…それをすぐさま後悔する事になる…





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