情の濃い死神と幸の薄い僕の話

ドンッ!!


「?!」



前もよくみないで走っていたから、
すれ違った男性とぶつかってしまった。


「す、すみません」


ぶつかったときの強い衝撃で冷静さを取り戻した僕は、 
慌てて男に頭を下げた。



しかし返答がない。



怒らせちゃったかな…?




恐る恐る顔をあげてみると、
ぶつかった拍子に落としたらしい僕の鞄を
男性が拾って差し出してくれていた。

















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