干物女に一滴の雫を・・・

過去

 私には姉がいた。二つ上の。

 名前は確か・・・・、柏木千明(カシワギチアキ)

 姉の名前なのに確かって言うのは

 姉さんは私がまだ3歳か4歳の頃なくなった。

 だから記憶はそこまで残っていない。

 両親も死んだ。

 私が中学1年の頃に。その時は頭がどうにかなりそうだった。

 死因は事故死。

 私はその頃、剣道をやっていて夏の大会に出場していた。

 その日は全国大会で、準決勝戦だった。私はその試合に出るはずだった。

 でも・・・その日は姉さんの命日で、墓参りに行く予定だった。

 けれどわたしはその試合にかけていたし墓参りなんていつでもいけると言って

 母さんと父さんと喧嘩して、家を飛び出してきた。

 会場に行ったはいいものの朝の両親との喧嘩と今からの試合でぴりぴりしていた。

 親友の試合が始まる前にトイレに行こうと思い、用を済ませて

 出ると、親友とその対戦相手が一緒に話していた。

 かげでこっそり聞いてると

 「ねぇ、アンタさぁ私に負けてくんない??」

 私にとってはそう言う卑怯なことをするところを始めて聞いたので

 呆気にとられていた。

 いつも、私の前では気弱だった親友は何と、NO。

 はっきりとイヤと言った。

 そこで会話は途切れてパシン!と

 竹刀の音がした。それから何度も何度も。

 何が起こったかわからなかった私はそこへ飛び出していった。

 今思えば、こんなことしなかったら大好きな剣道をやめなくて良かった。

 親友は対戦相手の子に竹刀で叩かれていた。

 「ちょっと!何やってんだよ!?」

 私はずかずかと二人に近づき、対戦相手が持っていた竹刀を

 手からもぎ取った。

 と同時に、

 「キャー!!!!!」
 
 奥の廊下にいた女子と向かいの対戦相手が悲鳴を上げた。
 
 一人が警備員を呼んできて私を取り押さえた。
 
 何が起こったかわからない私はただ唖然とするだけ。
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