甘い恋には遠すぎて
私がそう言い放ったと同時に、本当に突然に腕をグイッと引き寄せられ、気がついたら、一臣さんに抱き寄せられていた。
!!!
頭の中がパニック寸前。
な、な、なんでこうなるの?
『勘違いすんなよ?』
一臣さんは、そう言った。
−ママ〜!!−
私のすぐ横を後ろから全速力で駆けぬけていく小さな男の子。
『アンタに当たってあの子供が怪我したら大変だからな。』
……そういうことか。
そして魚たちのショーがはじまり、しばし私達の言い争いは中断することとなった。