甘い恋には遠すぎて
二人で並んで海を見ながら飲み物を啜る
砂浜には人がチラホラ歩いている。
いい天気だし、散歩には最高だよななんて会話を交わしていた時だった。
砂浜を歩く一人の女性に目が留まった。
『なつ……き?』
夏稀なのか??
ショートヘアを茶色く染め海の方へ顔を向けながら歩いている。
あの後ろ姿……
間違えるはずなんか……ない。
そう思った途端、俺はアイスコーヒーをみや美に押し付け、その場を走り出していた。
夏稀−−!!
なつき!!!
待って!行かないでくれ!
俺はダッシュで、エスカレーターを下りる。
周りの客がなんだ?なんだと振り返るが、そんなの気にしちゃられねぇ。