甘い恋には遠すぎて
しばらくその場から動けずにいた。
猛ダッシュのせいで息があがり、夏稀を見失ったせいもあり、俺の頭の中は真っ白になった。
そのまま砂浜に大の字にひっくり返る。
真っ青な空を見上げながら
今更何やってんだ俺……
太陽が眩しくて、右腕で目の辺りを覆った。
泣いてるわけじゃ……ない。
泣いてなんか……。
そのままゴシゴシと擦りつけ、またボーッと空を見上げる。
すると、いきなりニュッとみや美が顔を覗き込んできた。
びっくりさせるなよ!!
……っていけね、俺、みや美ほったらかして来たんだっけ。
『アイスコーヒー、ここ置きますよ?』
俺の横にコーヒーを置き、何を言うわけでもなく寝そべる俺の横にそっと腰を下ろすみや美。