甘い恋には遠すぎて
『いっいっ、一体どういうことなんだよっ?!』
俺の焦り具合が面白いのか、一臣はケラケラと笑っている。
『だってみや美可愛いんだもんよ〜こ〜思わずギュッと……』
一臣の続きの言葉なんて耳に入らなかった。
うん、確かにみや美ちゃんは可愛いんだよなぁ〜〜、うん、うん。
……って違う!!
『お〜い!気でも失ったか?大丈夫か?』
『説明しろ!』
『水族館に入ったら子供がワサワサいてさ、みや美に突進してきたから、こう腕掴んだら、抱き寄せた形になったんだよ。そんだけ。』
全く、病人をからかうもんでないよ一臣……。
一瞬、熱が上がった気がしたじゃんかさ。
『あ〜そ〜。』
『あ〜そ〜って、そんだけ?』
俺の返答に一臣はどうやら不服らしい。
きっともっと怒ってくるだろうと思ってたんだろう。