甘い恋には遠すぎて
湿布を持ち姉ちゃんの部屋へ
『貼って、背中。』
着ていたセーターを脱ぎ、背を向けた。
『ありゃま、あんた何してきたの?』
どうやら背中はアザになっているらしい。
『人助け。』
『莉奈ちゃんか。』
『そう。』
ペタッ……うおっ冷てぇぇぇ!!
『で、無事だったの?』
姉ちゃんは、深くは何があったかは聞いてはこない。
『うん。大丈夫だった。サンキュー!』
『あんたにはさ、みや美ちゃんより、莉奈ちゃんのがお似合いな気がするんだけどな。』
『はぁ?な、な、な、なんだよ、いきなりっ!』
俺はセーターを着る手を止めた。
『いや、なんとなく。』
『変な事、言うなよ。』
俺はそう言い残してまた自室へ帰った。