甘い恋には遠すぎて
◆一臣side◆
夏稀らしき人物を見かけた日から、どこかに夏稀がいないか?街を歩いていてもつい目で探してしまう自分がいた。
俺の中ではもう終わっていたはずなのに……。
死んだようにとは言わないが、あれから無気力な毎日を過ごしていた。
女から誘われて気分が乗らず断り続けていた。
今日はクリスマスイヴ。
一人で過ごすなんて久しぶりだ。
あれから貴也はどうしたんだろうか?みや美とうまくいっているんだろうか?
何にもする事ねぇな……。リビングに寝そべり、テレビを見ていた。
−ピンポーーン−−
誰だ?宅急便か?
俺の予想に反して、みや美が玄関に立っていた。
『なんだ?どうした?』
今さっき、貴也とどうとか考えていたから、少しびっくりしていた俺。