甘い恋には遠すぎて


みや美が家に入るのを見送って、俺は車をまた走らせはじめた。



夏稀…… 俺の事、遊びなんかじゃなかったよな?


俺にはどうしても信じられねぇんだよ。


夏稀が俺をキライだと言う度に『スキ』って聞こえるんだよ。





でも旦那も改心した今、俺の出る幕なんてもうどこにもないんだよな……。


俺はどうして夏稀が、いきなり居なくなったのかその本当の理由が聞きたいんだよ。


ただそれだけ……


本当にそれだけか?


それが聞けたら本当にスッキリするんだろうか……。



今は自分で自分がわからない。



ハンドルに顔を埋めながら、答えの出ない自分に苛立ちが隠せなかった。





< 196 / 251 >

この作品をシェア

pagetop