甘い恋には遠すぎて
その後、みや美ちゃんより先にファミレスを出た。
振られたばかりだというのに、コンビニのバイトが入っている。
こんな気持ちで仕事なんかしたくない。
サボリたい気持ちで一杯だった。
みや美ちゃんの答えは、はじめからわかっていた気もしていたけど、自分の友達を好きだと言われるのは、衝撃的だった。
もし二人が上手くいったら……俺は、友達も恋も同時に失ってしまうんじゃないかって不安が広がる。
そんな事考えるなんて、情けないと思いつつも頭の中は、ネガティブ思考に染まりつつある。
『よっ!貴ちゃん!』
俺の丸まってるであろう背中を思いっ切り叩いたのは莉奈だった。
『バイトさ〜本間さんに交代してくれって頼まれて〜……』
俺の浮かない表情に気付いた莉奈が話しをやめた。