甘い恋には遠すぎて
◆一臣side◆
年明けして数日、あれから夏稀とは会っていない。
まぁ、会いに行けるわけもねぇんだけどさ。
俺の心の中は今だに自分でも言い表せない感情で一杯だった。
一度、夏稀と会ったら全てを知って納得がいくと思っていたのに、会ったら会ったでこんな状態。
矛盾してるよな。
でも……夏稀のあの態度を目の当たりにして、本能的に
−俺たちはもう二度とよりを戻す事はない−
そう感じた。
お互いの感情云々ではなく、もう過去の事……。 夏稀は、頑固で一度決めたら曲げない性格だった。
もう俺たちは二度と交わる道を進むことはない。
いつまでたっても平行線のままだ。
そうまざまざと思い知らされた気がする。