甘い恋には遠すぎて


そこには見馴れた綺麗に整った夏稀の字が並んでいた。


一枚目には、どうして夏稀が俺の前から姿を消したか、その理由が書かれていた。


俺に恐喝……。


話しは聴いていたが、あの旦那なら本当にやりかねないなと思った。


俺の前から夏稀が姿を消せば……彼女なりの精一杯だったんだろう。


そんな事も知らず、俺は夏稀を憎んで……


恨んで……



苦しいのは自分だけだと思っていた。


そんな旦那といて夏稀だって俺の図り知ることのできないくらい苦しかったんだろう。


ずっと……。



一枚目の最後は、いきなり姿を消した事の謝罪で終わっていた。



二枚目は、ほんの数行。


−−−−

−−−−−。


フッ……、俺は、読み終えてなぜか笑みが零れた。





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