甘い恋には遠すぎて
目の前のみや美が、そんな俺を不思議そうに見ていた。
『あのね……夏希さん、今日、出発なの。今ならまだ間に合う。新幹線……。』
みや美の言葉を聞いて、俺は、、、
追いかけるべきか……
けど……
迷った割には、俺はその場に千円札を置いて、慌ててその場を飛び出していた。
そんな俺をみや美はどんな顔をして見ていたんだろう……。
いくら好きで、好きで仕方なくても、うまくいかない恋もあるんだなって ぼんやり考えながら走った。
俺は夏稀に会って何を話すつもりなんだろう。
頭で考えている事とはまるで正反対に足が勝手に動く。
急いで……
息を切らしタクシーに飛び乗る。