甘い恋には遠すぎて


新幹線のホームは、まばらに人がいて、俺は走りながら夏稀の姿を探した。


頼む、間に合ってくれ!!


どこだ?!−−

いない!!−−


辺りを見回しながら、必死で走る。


途中幾度となく、擦れ違う人とぶつかりそうになり、頭を下げる。


夏稀……


ホームの端まで辿り着いた。





遅かったか……





既に新幹線に乗り込んでしまったのだろうか、夏稀の姿は



−なかった……−




ホームの端からは、よく晴れ渡る青空が見えた。


遅かったか……


空を見上げながら、しばらく佇んでいると




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