甘い恋には遠すぎて
案の定、一臣さんは飛び出していった……。
私の役目は終わった。
その場には、一臣さんの飲みかけのコーヒーと一枚の千円札、そしてあろうことか手紙がそのまま置き忘れられていた。
私は、そっと手に取り封筒に便箋をしまおうとした。
勿論、手紙を見ようなんて気は、さらさらなかったんだけど、−みや美ちゃん…−という単語を見つけてしまった。
気になる!!私だよね?
深く考える前に視線が便箋の文字を追ってしまっていた。
……今、一臣のことを大切に想っているみや美ちゃんの事、少しは考えてあげて。
好きな人の為だからってこんな事出来る人、そうそういないわよ……一臣だって気付いているんでしょ?……。
そ、そうかな、やっぱり一臣さんにもバレてるのかな私の気持ち……。
バレ…てるよね、やっぱり。