甘い恋には遠すぎて


そんな都合のよい口実が脳裏を過ぎる。


『コーヒーでもおごるから、手紙持って出てこねぇ?』


嬉しい!一臣さんに会える。素直にそう思った。 夏稀さんのことが片付いてしまったら、私と一臣さんを繋ぐ線は消えてしまったように感じていたから。


貴也さんもいるけど……私が一臣さんを好きと告白してしまった時点で、いろいろゴタゴタしてしまうかもしれないし。


『紅茶がいいな……。』

嬉しいクセに口をついて出たのはそんな言葉だった。


『おぅ、パンケーキもつけてやる。』


『そんな子供じゃないしっっ!!』


たわいないやりとりをしながら、午後にファミレスで待ち合わせをした。



なんだかとてもウキウキしている自分がいた。




< 235 / 251 >

この作品をシェア

pagetop