甘い恋には遠すぎて
こんなところで泣いてちゃいけないと鞄を掴み早足で外へ出る。
ドアを出た瞬間から、もう涙は止まらなかった。
『うぅっ……』
1月の寒い寒い空の下、私は泣いた。
どれだけ涙を流しても、結果は何一つ変わらないのに。
やがて、頭にポツリポツリと冷たいモノが……
『うぅ……雪?!』
泣きながら見上げると、空から真っ白な雪が降り注いでいる。
私の髪に、頬に、ゆっくりゆっくり落ちてくる。
『雪なんて降ってる場合じゃないんだから……うぅっ……』
これで私の恋は終わってしまうのだろうか?