甘い恋には遠すぎて
『みや美!来てくれたんだ?早かったじゃん!』
『あっ……うん。』
あっ……の後の間は、一臣に気が付いたからだ。
一臣もみや美に目をやり、赤ん坊をそっと莉奈に手渡した。
この二人が顔を合わすのは、どれくらい振りなんだろうか?
俺の知る限りでは、一臣が、わけわかんない旅から帰って以来なんじゃないかな。
莉奈からも二人が会ったと言う話しは聞いた覚えがない。
『久しぶりだな……みや美。』
少し照れ臭そうな一臣。
『久しぶり……だね。』
俺と莉奈は視線を交わし合いとりあえず黙ることにした。
『元気だったか?』
『うん。一臣さんは?』
『俺?元気、元気。』
『そっか……。』
どこかぎこちない二人の会話。いきなりの再開で二人とも戸惑っているのだろう。