甘い恋には遠すぎて


夏稀……



俺を解放してくれよ……



枕元に置いたミネラルウォーターをグイッと飲み干す。


渇いた喉が潤された頃、俺は目が冴えてしまった。


さっきの夢はもう一年以上何度となく見続けている。


はじめの頃はうなされ、全身に汗をグッショリかき、飛び起きたもんだが、最近はそこまでではなくなった。


夏稀……俺がまだ高校一年の時に出会ったんだ。




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