甘い恋には遠すぎて
当時バイトしていた中華街のレストランの俺はウエイターで、夏稀は、中華菓子の販売をしていた。
彼女はまだ22歳で幼い子供と旦那がいた。
スレンダーな美人で、笑顔はとても可愛らしく、俺は一目惚れした。
彼女に近づきたい……そう思っていた矢先、俺は彼女の腕にアザを見つけた。
とてもぶつけただけとは思えない無数のアザ。
消えかけているものや真新しいモノまで。
彼女がいつも長袖を着用している意味がわかった。
旦那のDVだ。
そして時には顔にまでアザを作ってくることもあった。