black-and-white
すると、わたしたちの教室の前の壁に寄りかかっている1人の男子がいた。



制服を着ていたからこの学校の生徒だろう。



その男子生徒が、冬真君に見えた。



冬真君……?



わたしはその光景を澪に手を引かれながらボーッと見ていることしか出来なかった。









寮の部屋に戻る前に澪にひとこと、



「あ、問題集はいいよ」



と言っておいた。



部屋に戻るとわたしは力無くベッドに倒れた。




「…大丈夫?」



「うーん……」




曖昧な返事をして真緒ちゃんは何か察したのか、それ以上なにも聞いて来なかった。
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