時の皇子と記憶の舞姫

「あ、ごめんね。いきなりいっぱい人が来て驚いたでしょ？
オレたちはアクアマリンの王宮に仕えている人間だよ。」

「え…アクアマリン…？ここ…が…ですか？」

「うん。ここはアクアマリンだけど…正真正銘。
君は…どこから来たのかな？」

「あ…私も…アクアマリンから来たんです。
でも…ここは私の知っているアクアマリンとは違います…。」

「え…？どういうこと…？」

「君、名前は何と言うんじゃ？」

「あ…えっと…貴宝美羽(ｷﾎｳﾐﾊﾈ)…です。」

「ほぅ…美羽…よい名じゃのう…。
そして…桃依の言う通りじゃ。星来にとてもよく似ておる。」

「あの…その『星来』って…氷泡星来様のこと…ですか…？」

「え？星来を知ってるの？」

「はい…。500年前に世界に光をもたらした…伝説の『ハート』の使い手…ですよね？」

「えぇ!?500年前!?星来、今はここにいないけど、普段はここで生活してるよ!?」

「え？星来様がいらっしゃる…？」


な…なんで…だって星来様は…伝説のお方で…。


「なーるほど!!つまり、美羽ちゃんがいたアクアマリンは、オレたちから見て500年後のアクアマリンってことかぁ…。」

「どうやらそのようじゃの…。
もしかしたら…星来や蒼刃も時空の歪みに巻き込まれたかもしれないのぅ…。
はてさて…一体どこへ行ってしまったやら…。」


私は状況が上手く飲み込めなくて、目をぱちくりさせることしか出来なかった。