時の皇子と記憶の舞姫
「何だよ…驚かせんな。」

「500年前のアクアマリンに…あたしの意識だけを飛ばすことって出来ないかなぁ…?」

「はぁ?お前何言ってんの?」

「…王宮の造り自体は変わってない。
だから…この王宮に触れて意識を飛ばせないかなって…。
紫紀さんたちは王宮にいるでしょ?」

「紫紀たちは王宮にいるけどなぁ…
大体お前、んなことやったことねぇだろ?」

「やったことないけど…やってみる価値はありそうじゃない?」

「…止めろっつったってやるんだよな。お前は。
倒れねぇ程度にしておけよ。」

「お前…本当にやるのか?」

「…もちろんよ。
何事もやってみないと…ね?
というわけで…雫の間に行ってもいい?」

「はぁ?なんで雫の間?」

「あの場所が…500年前のアクアマリンでは一番魔力の強い場所だから。ね?」

「…行くぞ。」

「うんっ!!」






出来るかどうか分からないことは今までだってたくさんあった。
大事なのは…『出来ないからやらない』んじゃなくて『出来るかもしれないならやる』ことだって、あたしは今までの旅で学んだから…。



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