時の皇子と記憶の舞姫
時空の歪み
「おいっ…どういうことだよ…?」

「雷…ちょっと待ってて。」

「…。」

「…香澄(カスミ)さん…で合ってますか?」


目の前の彼女が目を見開いた。


「名前も…読めちゃうんです。ごめんなさい。」

「…っく…翼…はどこ…ですか…?」

「翼さんは…もういなくなってしまったんですね?」

「…違うわ…。」

「…残念だけど…違わないです。
翼さんは…もう亡くなってしまった…。」

「違うっ!!」


あたしの手が振り払われた。
突然のことで、あたしの身体はちょっとだけ飛ばされる。


「…大丈夫か。」

「あ…うん。大丈夫。
蒼刃と雷は…この国のタイムの使い手を集めてくれる?至急。」

「…分かった。行くぞガキ。」

「ガキじゃねぇっつーの!!」


あたしは二人の背中を見送った。
そして香澄さんに近寄る。


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