時の皇子と記憶の舞姫
* * *


「タイムの使い手なんていねぇ。
俺とそいつだけだ。」

「え…それはちょっと困ったなぁ…。
雷は魔法使えないじゃない。」

「…誰のせいだよ。」

「あんたねぇー!!あ…ペンダント…。」

「あぁ?」

「蒼刃っ…!!
あたし、ペンダントどこにやったんだろ…?」

「ねぇのか?」

「ないっ…!!」

「ペンダントって…これか?」

「あっ…そう!!それ!!
あたし…アクアマリンに落として来ちゃったのかな…?」

「…かもしんねぇ。」

「じゃあ…もしかしたらペンダントを使って意志疎通出来るかもしれない…。」

「はぁ?」

「雷!!ペンダント貸して。」

「おっ…おお。」


雷からペンダントを受け取った。
500年経っても光は失われないまま、輝いてる。

あたしはペンダントを強く握りしめた。
想いが…届くように念じながら。



「…届いて…。お願い…。」


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