時の皇子と記憶の舞姫
「それが…この花の花詞なの…?」

「はい。ですから…ぴったりかなって。
あ、あの…香澄さん。」

「何かしら…?」

「記憶を…お借り出来ませんか?」

「記憶…?」

「はい。
この花に…香澄さんに残る翼さんとの記憶を入れておくことが出来ます。
この花に触れればいつでも思い出せます。」

「…そんなこと出来るの?」

「美羽ちゃんの能力って…?」

「メモリーです。」

「メモリー?」

「んだそれ…聞いたことねぇ。」

「この時代にはないんですか?」

「ないと思うよー!!ボクは知らないなぁ…。
白斗は知ってる?」

「いや…オレも知らないなぁ…。」

「…星来様の能力の一部を受け継いだ形になります。」

「え?あたしの?」

「はい。ハートの能力のうちの特に『記憶』について力を発揮できる能力を『メモリー』と呼んでるんです。
香澄さんの大切な記憶を…ピュアラズリに…託してみませんか?」

「…そうね…。
そしたら少しは…寂しくないかもしれないわ。」

「はいっ!!」


そう言って笑う美羽ちゃんはとても可愛くて、あたしはつられて微笑んだ。



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