時の皇子と記憶の舞姫
香澄さんのこめかみに右手の人差し指をあてる美羽ちゃん。
そっと目を閉じて…


「メモリー」


人差し指に小さな光が集まる。
そして光を集め終わると、そのまま人差し指をピュアラズリにあてる。
ピュアラズリが一瞬光り、少しだけオレンジ色が増す。





「どうぞ。」

「…ありがとう。」

「いいえっ!!きっと翼さんも香澄さんに笑ってほしいって思ってるはず…ですから。」

「…そうね。きっと。」


香澄さんの目は涙ぐんでいたけど、それでも優しく微笑んでいた。
美羽ちゃんの屈託のない笑顔に…励まされるように。


「…歪みとやらが直ったんだから戻るぞ美羽。」

「えっ!?」

「つーか俺らを戻せ。今すぐ。」

「おい雷!!お前、それが人にモノを頼む態度かぁ?」

「俺は第一皇子だっつってんだろ?」

「…未来のアクアマリンの第一皇子がこんなんじゃ…アクアマリンの未来に不安を覚えるなぁ…オレ。」

「ボクもー…っていうか蒼刃よりなってないよー。」

「確かに。」

「言えてるねそれ。」

「お前らっ!!」


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