時の皇子と記憶の舞姫
「私も…大変迷惑をかけてしまって…。」

「ううん。そんなことない。
だってやっぱり…大切な人を失ったら…会いたいって思うのは自然なことだと思うもん。
でも今の香澄さんにはピュアラズリがあるから…。」

「…ありがとう。
伝説の方にお会い出来るなんて…思ってもみなかったわ。
あなたはやはり…偉大な方なのね。本なんかで見るよりもずっと。」

「そっ…そんなことないですっ…。」

「あなたは…能力も行動力もある。そして、あなたの言葉はとても温かくて…私に前に進むきっかけと勇気を与えてくれた。
ありがとう。あなたに出会えて本当に良かった。」

「香澄さん…。」

「中央の紋章の上に乗ってくれ。
500年後の未来に帰す。」





「香澄さんっ!!」

「…?」

「…今度…遊びに行ってもいいですか?」

「もちろんよ。」





「「リターン。」」





紫紀さんと瑠香の声が雫の間に響いた。
あたしが瞬きをしたその後には、誰の姿も残っていなかった。



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