時の皇子と記憶の舞姫
「お前の顔が赤くなってんの見るとなーって話。」

「はぁ?意味分かんないんだけど…。
ってかそういう蒼刃も赤いし!!
なんだか雷に似てるっ!!」

「はぁ!?あんなクソガキと似てるわけねぇだろ?」

「そうかなぁー…蒼刃に子どもがいたらあんな感じかなって思ったんだけど。」

「子ども…かぁ…。
あの美羽ってやつはお前に似てたと思うけど?」

「えぇ!?そうかな?」

「能力的にいっても将来的にはお前の血でもひいてんじゃねぇの?」

「そうなのかなぁ…。
でもいつか…結婚して、子どもが出来て親になって、おばあちゃんになって…
家族が増えてくのって楽しみだよね?」

「…あのなぁ…。お前、分かって言ってる?」

「なにを?」

「…なんでもねぇ。」

「あ、もちろん蒼刃との家族、だからね?」

「はぁ?」

「えっ!?もしかして…嫌?」

「そうじゃねぇけど…。
あー…ったく、今更当たり前なこと言うんじゃねぇよ。
俺はお前以外は好きにならねぇし。お前と家族になるに決まってんだろ?」

「…今のってプロポーズ…?」

「違う。プロポーズなんてまだしねぇし。」

「まだ?」

「うるせぇ。」

「プロポーズはもっとロマンチックにお願いしまーす!!」

「はぁ…お前…人の気も知らねぇで…。」

「だって一生に一回だけだもん。プロポーズ。ね?」

「…そーだな。
つーかもう帰るぞ。今日疲れたし。」

「そうだね、帰ろっ。」


あたしはぎゅっと手を握り返した。
星が輝く夜に、ピュアラズリの花詞を想い浮かべながら。






*END*



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