王子様のヒミツ

「じゃあ場所変えよ?」

 先輩は嬉しそうに言うと、あたしを先導するように歩き始めた。

 じ、自己チュー・・・。

「えっとじゃあ行ってくるね。すぐ戻るから!」

「うん。なんかあったら連絡しなね」

 携帯を振ってそういう唯奈。

 先輩は「早くー!」なんて言いながら、右手をぶんぶん振ってあたしを呼ぶ。

 ああいうタイプの人って、苦手かもなぁ・・・。

 決して表には出ないように気をつけながら、校舎の中に入っていく先輩を小走りで追いかけた。

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