レンアイ 遊興

◆…空の生活





ザーーー…


「おい」


声を掛けられ耳だけ傾ける。


「授業サボって屋上にいるってどういう事だよ。しかもこんな雨の日に」


そう言ってオレの隣に寄り掛かる、谷崎 あき(タニザキ アキ)。オレの親友。


「授業サボるなんて今に始まった訳じゃねぇだろ。…それに」


雨だから…余計になんだよ。


「それに?」


そう言うあきにフッと笑い、


「雨が好きなんだよ」


なんて嘘をついてみる。


あきは訳わかんねぇなんて呟いて、空を見上げた。




今日みたいな薄い灰色な空の時は思い出すんだ。

あの梅雨が終わった夏の日の事を。





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