レンアイ 遊興
……痛くない。
痛くないよりも、何か温かい感覚。
「…大丈夫か?」
不意に聞こえてきた声。
顔を上げて確認する。
「た、拓ちゃん…っ」
「いきなり階段から降ってくるんだ。驚いて手を出せば素直に腕の中入ってくるし…」
その言葉にはっとする。
私、拓ちゃんに抱きしめられてる。
「だ、大丈夫だから。ありがとう。は…離して?」
いたたまれなくなって拓ちゃんから離れようとする。
けれど、それを許してはくれなくて。
「…そんな涙流しながら大丈夫なんて言われても説得力ねぇよ」
逆に強くなる腕の力。
「つーか好きな女を抱きしめて、離す訳ねぇだろ」