レンアイ 遊興
すれ違い
◇…揺れるつくし
文化祭を明日に控えた私たち。
「『貴方は隣の国の王子様!どうしてこんなところに…』」
お姫様役の私が叫ぶ。
「『貴女を迎えに来ました』」
キラキラと光る満月のほんのり明るい光が幻想的で。
「『え、なんで…』」
「『そんなことを言ってる暇はない』
『さあ、早くここから逃げましょう』」
まっすぐ私の目を見る拓ちゃん。
役だってわかってても緊張する。
「カットーーっ!!」
その声にふぅと息を出し、拓ちゃんから目を逸らす。
あれから拓ちゃんが直視出来ないんだ。