レンアイ 遊興




『あ、いや、別に。とにかく家帰った方がいいんじゃねぇ?んで早く寝ろ』


少し戸惑いながら言ってくれたあきの言葉に、オレは素直に従う事にした。


下駄箱まで来て外を見る。


『雨か…』


よかった。傘持ってきといて。


『オレは体育祭の片付けとかやってから帰るけど…傘あんのか?』


『あぁ。心配すんな』


そう言って手をひらひらさせ、バッと傘を開いた。




駅からおりたところで、走っている女の子を見た。


傘もささず、無我夢中で走っているといえばよいのだろうか。


でもすぐにその理由がわかった。


後ろから待て、とか言って走っている男が二人。


ありゃ、変なもんに絡まれたんだな。





< 16 / 412 >

この作品をシェア

pagetop