レンアイ 遊興
折りたたみなんて真っ白な嘘で。
ひりひりとさっき出来た怪我にしみるのを感じながら家に帰った。
もちろん、名前も顔もわからないのだから、一年以上経った今でも会えないのは当たり前で。
雨の日になると思い出してしまうオレは、どうにかなっちゃったようで。
なぜか切ない気持ちになる。
「おい、どこ行くつもりだ」
その声にはっと我に返る。
どこって、家に帰るつもりだけど。
「今日はオレんチに来る予定じゃなかったのかよ」
ああ、そうだった。
「すっかり忘れてたわ」