レンアイ 遊興
空くん手に入れるためならなんでもしそうだな、って。
雪音先輩の言葉にサーと血の気が引く。
「な、何?知美って人お嬢様なの?」
朱音の言葉に雪音先輩はうんと頷く。
「香西会社の社長さんの娘なんだって。しかも一人っ子だから本当にお嬢様みたいな生活してるって噂だよ?」
朱音とお兄ちゃんと、もちろん私は何も言うことが出来なくて。
せっかく、ちょっと希望を持てたのに…なんて少ししょんぼりする私。
「ま、まぁ、とにかく聞いてこい!な?よし、行け!」
お兄ちゃんがそう言って無理矢理私を出口まで連れてくる。
「えっちょっと!」
「頑張れよ、つくし」
そうお兄ちゃんは真面目な顔して言って、ピシャリと図書室の扉を閉めた。
…うそだぁ。