レンアイ 遊興




「いたっ、なに?」


そう言う知美を真っ直ぐ見ると、


「やめてよ…っ」


なんて言いながらも頬を赤らめる。


…期待してる?


知美の耳元に口を持っていって、小さく囁くように言ってやった。



「知美のこと振ったよね?

オレはつくしちゃんが好きなんだ。だから知美とは遊べない」



知美の手首を解放し、またな。といつもの上辺の微笑みを作りながら手を振り、その場を立ち去った。


後ろからバタンなんて崩れた音が聞こえたが、

それを助けるほど、オレは優しくない。




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