レンアイ 遊興




「……え?」


小さくつくしちゃんは呟くように言った。


けれどすぐに、まっすぐ見るオレから目を逸らし、目を泳がせた。


今、つくしちゃんは何を…誰のことを考えてる?


オレに気を効かせて、拓馬が好きだと言い出せないのではないか。


…もしかしたら、拓馬ともう付き合っているのかもしれない。


今だ、言葉を懸命に探すように目を泳がせているつくしちゃん。


そんなつくしちゃんに、やっぱりそうなんだ、と少しがっかりしながらも


「…わかった」


はっきりとつくしちゃんに言った。


「…え?」


つくしちゃんの小さい声を聞きながら、オレはズボンのポッケからゴムを取り出した。




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