レンアイ 遊興
俯いてしまったつくしちゃん。
お互い何も言えなくて。
ふと空を見ると、真っ黒い雲に覆われていることに今気付いて。
そしてその雲から、ポツポツと雨が降ってきた。
すると一気に雨の勢いが増すから、
「じゃあ。それだけ」
そう言ってオレは立ち去ろうとつくしちゃんから背を向けた。
「先輩は…空先輩は好きな人いますか!」
土砂降りにかわった雨の音と叫ぶように言ったつくしちゃんの声が耳に届いた。
だからオレはゆっくりと振り返って、一言だけ言って屋上を去った。
「あぁ、いるよ」
君が好きなんだよ。
つくしちゃん。
そう思いながら一一…